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おそらくそれは、偶然瓦屋根以外の、スレートや金属屋根のモデルルームのセールス担当に聞いた結果ではないかと思います。屋根工事は、一日で消費するような消耗品と違って、数十年単位で高いか安いかを判断しなければならない「商品」です。したがって、リフォーム時の工事費はもちろん、日常のメンテナンス経費、大切な家を守って価値を落とさない経費、夏、冬の冷暖房費などを総合して判断する必要があります。
たしかにトタン屋根などの工事費は、瓦の場合に比べて当初は安く上がりますが、数年おきに繰り返し行わなければならない塗り替え費用や、夏の冷房費などの差額を考えると、必ずしも安いとばかりはいえません。
屋根には、耐風、耐震、耐雪などの他に、耐久、耐湿、耐水など、多くの機能が長期間にわたって求められます。これらを総合した上で、はじめて高いか安いかが判断できます。そういう意味では、瓦は最も経済性にすぐれた屋根材といえます。セールスマンの説明は、おそらく最初の工事費(いわゆるイニシャル・コスト)だけの比較によるものと考えられますので、もっともらしい数字が並べられてあっても、正確な比較とはいえません。「安物買いの銭失い」だけは避けて下さい。
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