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「地震に強い家」というのはありますが、「地震に強い屋根」という表現は、あまり適当ではありません。地震に強いか弱いかは、家全体の構造や地盤の良し悪しによって大きく違ってくるからです。もちろん屋根も構造材の一つですから大きく関係してきますが、屋根だけを取り上げてどうだというのは、あまり科学的な見方とはいえないでしょう。
阪神大震災の時、たしかに北淡地域の瓦葺屋根の倒壊した映像が、1日何十回も繰り返し放映されました。このため、地震と瓦屋根のイメージが視聴者の記憶に強く刻まれるようになったのは不思議ではありません。しかし、ビクともしなかった、それ以外の数多くの瓦屋根の映像は、殆ど話題にもなりませんでした。テレビ報道は、センセーショナルな映像を好みますが、メーカーの立場から言わせてもらえば、冷静で客観的な報道とはいいがたいと考えています。事実2004年の新潟県中越地震や2011年の東日本大震災の時には、こうした報道はすっかりカゲをひそめてしまいました。
とはいえ、屋根自体の強度を上げる工夫はつねに行っていく必要があります。当組合では、瓦屋根の安全性向上のために科学的なテストを繰り返し、すぐれた結果を残しています。また数々の耐震実験から瓦屋根の耐震性は実証されています。こうした噂に惑わされず、美しくて丈夫、最も優れた屋根材である瓦を今後ともご愛用下さい。現在当組合では、地震や台風に強いガイドライン工法を推奨しております。
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